好きだよ。。。
金曜日のドキドキデート
盛岡印刷の定時は、5時だ。私は今日はすんなり上がれたが、翔太君はどうだろう。確か、5時半定時って言ってたっけ。飲み会のときの記憶を呼び覚ます。きっと、私のほうが先だね。Tolly’s に向かう途中に書店があるので、入ってみる。気に入っている作家さんの小説を見つけて、お買い上げ~。Tolly’sに向かう。 5:20、到着。トールアイスバニララテを注文して、入り口近くの席に着く。

買ってきた本の1P目を見る。扉にこんな言葉が書いてあった。

ーーあなたは、あなたのチカラを信じて!ーー

私の、チカラ、かぁ。チカラ、って言ってもいろいろあるよね。生きるチカラ、仕事をするチカラ、恋をするチカラ・・・。

私にはもう、恋なんてもうできないと思っていた。20代のときにこっぴどく振られてから・・・歌の歌詞じゃないけど、もう2度と恋なんかしないって思ってた時期もあった。・・・ってか、ほんと、心の底ではホント最近まで。翔太君に出会うまでは、一生独身でもいいと思ってたんだ。それが、今、こんなにも年下の彼にハマっている。彼が本気で、「結婚を前提」としてくれるといいな、って、でも、ちょっと怖くて。このままハマってしまっていいのか、今でもすごく不安だ。翔太君のことを好きになったから。私にも、まだ、恋するチカラがある、んだよね?

そんなことを思っていたら、翔太君からメッセージが来た。

【ごめんっ、今終わった。ちょっと遅れちゃったね。退屈してない?】

時間を見ると、17:46だ。こんなの、遅れたうちに入らない。

【私も、本屋に寄ったから今ホッとしたところ。翔太君の会社って、うちとは逆方向だよね?そっち行こうか?】

【よかった。いや、退屈しないんだったら、Tolly’sで待ってて。陽が落ちてきたから、一人歩きさせたくない】

どきん、とした。翔太君は、ちゃんと私のこと女の子扱いしてくれる。会社の男たちのように雑に扱わない。

【ありがとう、嬉しい。待ってるね。入り口の近くの席に座ってるよ。本を読んでるから、気がつかないかも。声かけて】

なぁんて書いたけど、翔太君が着くであろう15分後に近づくあたりから、そわそわして本どころじゃなくなってた私だった。
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