好きだよ。。。
「翔太君、ここ!」

「つぐみちゃん、ごめん、待たせちゃって。飲み物、飲み終わった?」

「あと少しだから、飲んじゃう」

「飲んだら、すぐ出よ。今日は何を食べたい?」

う~ん、と考えた。お腹は結構空いているし、昨日みたいに遅くない。

「割と、お腹にたまるもの。翔太君はどんな気分?」

「『お好み焼き 花畑』って言う、お好み焼き食べ放題のお店があるんだけど、どう?お好み焼き、好き?」

「大好き」

「女の子にも優しい店でね、ノンアルコールカクテルの種類も多いよ。つぐみちゃん、飲めなかったよね?」

「うん、全然」

「じゃあ、そこに行こうか。渋谷駅の、ちょっと駅から離れたところにあるから、電車よりタクシーがいい。じゃ、いいかな?」

「うん。でも、タクシー、高くつかない?」

「そのくらいは、まっかせなさい!!」

「優しいね」

翔太君が無言で赤くなって私の手を引いた。

Tolly’sは大通り沿いなので、割とタクシーがつかまりやすい。この日も、5分もせずにつかまった。

タクシーの運転者に行先を言うと、翔太君はそっと私の手を握ってきた。そして、私の耳元でささやいた。

~ハヤク、ツグミチャント、クチビルデフレアイタイ

どくん、どくん。心臓の音が翔太君に聞こえてしまわないだろうか。きっと、私の顔は今、真っ赤だ。
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