好きだよ。。。
初デートの約束
「英会話以外のつぐみちゃんの趣味って何?」

「ん~、っと。ケーキとかパンとか焼いたりとか」

「へぇ。おいしそう。いつか、俺に焼いてきてよ」

翔太君の口に合うかなぁ。おいしくできるといいけれど。

「うん。あんまり期待、しすぎないでね」

「俺、甘いものも大好き。酒も好きだけど。つぐみちゃん、酒は飲まないの?」

「ビール一口で、真っ赤っ赤。ふらふらしてきちゃう。体質に合わないのね。だから、飲まないの」

「・・・可愛いなぁ」

翔太君が目を細めて言う。・・・そんなこと言われると、本気で照れる。赤くなってきているのが分かる。

「いいなぁ、その表情。絵に描きたい!」

「もうっ、からかわないでよぉ」

「つぐみちゃん、まじで絵のモデルになって!今度の日曜、鎌倉に行かないか?」

・・・これって、デートの誘い?なんだか、ドキドキする。

「うん・・・いいよ。翔太君って、どこに住んでるんだっけ?」

「俺は、高円寺。つぐみちゃんは?」

「田園都市線の駒沢大学」

「じゃあ、渋谷待ち合わせがいいかな?日曜、9時に渋谷モヤイ像前で、いい?」

「うん、分かった」

年下男子と初デートかぁ。どんな格好で行けばいいのかな。しかも、私はモデル、でしょう?まだ2月と言うことも考えて、防寒をしっかりしつつ、可愛い格好。う~ん、悩めるつぐみだわぁ。でも、幸せな悩みだな、と思った。

「そろそろ、行こう。遅くなったから、家まで送るよ」

「いいの?ありがとう。うちの近所、ちょっと暗いから不安だったんだ」

新宿から、山手線で、そして乗り換えて田園都市線で。駒沢大学駅から歩いて10分ほどで家族と住む私の家だ。歩いているとき、自然に翔太君が私の手を取ってくれた。

「ありがとう。ごめんね、翔太君、明日も仕事でしょう?遅くなったね?」

「つぐみちゃんのためなら。じゃあ、今度の日曜、約束な!」

「うん。おやすみなさい」

「おやすみ」

翔太君は、私が家に入るのを見届けると、今来た道を帰っていった。




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