好きだよ。。。
木曜日の憂鬱
翌日の木曜日の朝。後輩の真澄がめちゃくちゃ機嫌悪かった。

「どうしたの?」

私が声をかけると、むっつりと黙り込む。

「つぐみさん、つぐみさん」

遠くから一緒にいた香苗に呼び寄せられる。

「あのあと、翔太君とどうしたんですか?」

えっ・・・?気づかれてたの?

「一緒にお茶飲んで、送ってもらって・・・日曜に鎌倉行くことになった」

と素直に言うと、眉をひそめた香苗が言った。

「それ、真澄には黙っておいたほうがいいですよ。彼女、翔太君に言い寄ってたけどけんもほろろだったんだから」

えっ・・・そうだったんだ。確かに、知られたらちょっとまずいかな。

「で、つきあうことになったんですか?」

「うん、『結婚前提で』って・・」

「え~~~!!」

「ちょっ・・・声大きい」

「ごめんなさい。でも、合コンでつぐみさんと翔太君、ほとんど話していなかったですよね。なんで?」

「私の食べっぷりに惚れたらしい」

「へぇ・・・そういう出会いもあるんですね、メモメモ。私なんて、だれとも連絡先、交換できなかったぁぁ・・・」

「香苗ちゃんも、真澄ちゃんもまだ若いし、大丈夫。」

「若くないですよぉ。四捨五入したら、もう30」

私が、その30なんだけど・・・と思いつつ、ため息をついた。

「そろそろ仕事の時間よ。行こ」

「はい・・・」

私は、気がつかなかった。真澄ちゃんが鋭い眼光で私たちを見つめていたことを。
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