飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~


「うわ、美味そう! これ全部千夏(ちなつ)が作ったの?」

 お弁当を開けるなり、(かい)さんは嬉しそうな声を上げる。少しずつ料理の練習をしてきたかいもあって、簡単なものくらいなら失敗しないで作れるようになった。
 だからそんなに手の込んだものは無いのだけど、それでも櫂さんはすごく喜んでくれた。

「この卵焼き、櫂さんの好みに合わせて塩味にしてみました。こっちのから揚げにはしょうがを使ってみたし、ウインナーは蟹さんにしてみましたよ」

 タコでも良かったのだけど、砂浜で食べるのなら蟹の方がそれっぽくていいかな? なんて考えたりするのも楽しかった。どんな顔で櫂さんが食べてくれるだろうとワクワクしながら作ることが出来たし。
 
「こっちのおにぎりが梅で、こっちは鮭。それでここの二つが明太子、好きでしたよね?」

 私は明太子は食べれないけれど、櫂さんが好きだから買ってきておにぎりの具材にしてみた。海苔を付けてみたりゴマをまぶしてみたりと、見かけにも違いを出してみたので自信作だったりする。

「もう待てないな、いただきます!」

 そのおにぎりを大きな手で掴んで櫂さんが口に運んでいく姿を見ているのが楽しい。おにぎりを食べる姿もカッコいいとか、ちょっと狡い気もするけど。
 私も梅のおにぎりを取って口に運ぶ。うん、塩加減も梅の酸っぱさもちょうどいい感じで良かったと安心していると……

「凄く美味い! もう一個食べてもいい?」

 私が一口食べた間に彼は一個のおにぎりを食べ終えてしまったらしい。そんなに喜んで貰えたのかと嬉しくて「どんどん食べてください」と微笑んで見せた。


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