飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「私、一人の力ではどうすることも出来ないのに」
大きくなっていく不安を口に出せば、余計に自分に自信がなくなってくる。強くなれるよう頑張りたいのに、まだまだそんな簡単にはいくわけなくて。
だけど柚瑠木さんはいつものように冷静な口調で私を落ち着かせようとしてくれる。
「大丈夫ですよ、千夏。新河さんは千夏を悲しませるような事はしないと思いますし、もしそうだとしても貴女は僕と月菜さんが守ります。千夏はもう一人ではないのですから」
「柚瑠木兄さん……」
そうだった、私にはこうして話を聞いてくれる柚瑠木兄さんも励ましてくれる月菜さんもいる。そしていつも傍で笑ってくれる、櫂さんもきっと……
柚瑠木さんの言う通り、櫂さんは私を悲しませるような事はしないと信じたい。
「それで、二階堂 萩さんについてなのですが……」
父の話を再開した柚瑠木兄さん、私は彼が差し出したコピー用紙の一部を見て静かに頷いて見せる。赤ペンで書かれたいくつかの数字、やはり柚瑠木兄さんも気になるのはそこらしい。
「ええ、これでしょう? 私も気になっていて、でも詳しくは父か兄でないと……」
兄は父の仕事を補佐として手伝っている、だけど私は兄にも嫌われているから聞いても教えてはもらえない。どうしたらいいかと、その後も二人でしばらく話し合っていた。