飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~


「美味い! このチキンのソテー、凄く俺好みだ。千夏(ちなつ)はどんどん料理が上手くなっていくな」

 チキンを一口食べて、(かい)さんが嬉しそうにそう言ってくれる。私もこうやって彼が美味しそうに食べてくれるのが楽しみでついつい頑張ってしまうのだけど。
 柚瑠木(ゆるぎ)兄さんの奥さん月菜(つきな)さんに聞いたり、ネットで調べたりするのも櫂さんに喜んでもらう為なら苦じゃないもの。

「ふふ、いっぱい食べてくださいね。おかわりもありますから」

「やった! 千夏は出来た奥さんだな」

 子供みたいな笑顔を見せてくれる櫂さんに少しだけ胸が痛くなる。私の事を少しも疑ってない彼に隠れて自分が何をしているのか、そう思うと……
 でも父の事も櫂さんの事もそのまま知らないふりしてることは出来ない、だから止める気はなかった。

「ここは俺が片付けるから、千夏は先にお風呂に入っておいで」

 食事を終えて食洗器に並べていると、隣から櫂さんが手を伸ばしてくる。私はそんな櫂さんに甘えて先にお風呂に入らせてもらう事にした。
 櫂さんはいつも私にとても優しくしてくれる、契約妻だからといい加減な扱いをされた事なんて一度もない。そんな櫂さんの気持ちまでは疑いたくなくて、とても複雑な気持ちになっていた。


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