飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「それはすみませんでした。ですが新河さんと結婚した今、そうやって私を好きに扱っていいのは櫂さんだけですので」
いつまでも異母姉の言いなりになっている必要は無い、そう思わせてくれたのも櫂さんだ。私はもう二階堂の人間のストレス解消用の人形ではなく、新河 千夏という一人の人間なんだって。
私の中で一番は夫である櫂さん、それはもうこれから先決して変わる事の無い事。
「梓乃だけじゃなくアンタまでそういう態度を取るつもりなの? 散々可愛がってあげてきたのに本当に生意気なんだから!」
可愛がる? 異母姉の言う可愛がるとは、人間としても最低限のプライドさえ持てなくなるほど詰り貶めることなのだろうか?
平気でそんな事を口に出来る百々菜が、どれだけ自分勝手な考えの持ち主かを再確認させられた気分だった。
だけど、そんな事より気になったのが……
「梓乃? 梓乃が、どうしたんですか?」
梓乃はそこまで姉に嫌われてはいないはずだし、百々菜とのゴタゴタを好まない。そんな彼女がこの姉相手に何か反抗でもしたのかと心配になる。
「あの子も結婚相手が決まったからって私を見下すような態度を取ったのよ! お父様に厳しく叱ってもらうんだから」
こういう時に父や兄にばかり頼るのが、この百々菜の狡い所だ。自分が特別可愛がってもらってるのを分かっていて、話を都合よく変えて父たちに報告する。
私や梓乃がそれでどれだけ嫌な思いをさせられてきたか、本人は分かっていないのだろう。