飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「他人が知ったからなんだと言うんだ? 千夏は俺の妻なんだ、そんな事で誰かに文句を言わせるつもりない」
「それでは櫂さんに迷惑が……あっ!」
彼が私のために言ってくれているのは分かる、それでも私のせいでこの人が悪く言われるようなことになってしまうのは嫌!
誰かにこんな風に守られるようなのは経験は無かったし、逆に私がこんなにも自分のせいで嫌な思いをして欲しくないと思ったのも初めての事だった。
だけどその言葉の途中、私は驚きで続きを言う事が出来なくなる。櫂さんは自然な仕草で私の手を取ると、その甲にそっと口づけてきたのだ。
「俺は千夏の夫でお前を守る騎士なんだ、迷惑だなんて思うわけがない」
これは誓いのキスなのだと言わんばかりに櫂さんは強気の微笑みを見せる。役立たずや恥さらしと言われて育ってきた私に【騎士様】が現れるなんて、そんなことあっていいのだろうか?
優しい手の甲への口づけ、触れる唇の柔らかさが、私の頭をクラクラさせてくる。まるで物語のお姫様にでもなっているかのような気持ちに戸惑うばかりで……
「か、櫂さんは騎士様より王子様が似合ってる気がしますっ」
そんな意味不明な返事しかできなかったりする私に、櫂さんはふわりと笑ってくれたのだけど。
「千夏を守れる立場になれるのなら俺は王子でも騎士でもいいさ、この立ち位置だけは他の奴には譲る気はないけどな」
「あ、わわ……」
私の手を持ったまま悪戯っ子のような瞳で見つめてくる櫂さんに私はうまく返事も出来なくなって、結局彼が満足するまでずっと抱き寄せられたままだった。