飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
そうしてリビングのソファーまで寄り添うように連れていかれ、ぴったりと隣に座られる。男性とのこんな距離に慣れてない事をきっと分ってるくせに、櫂さんはあえてそうしているような気がした。
少しでも彼に触れないようにと体中に力を入れて座っているので、ちっとも身も心も休まる気がしない。
緊張したままソファーで固まっていると、櫂さんがこちらを向いてゆっくりと腕を伸ばし私のすぐそばの背もたれ部分に手をついた。そのままゆっくりと顔を近づけてくるから、ついギュッと瞳を閉じてしまう。
「千夏、そろそろ喉が渇いたよな?」
「……ふえ?」
予想と全く違った櫂さんの言葉、思わず出てしまった私の間抜けな声に彼の方が驚いた顔をしている。
だ、だって! 今のは絶対誤解されるような行動をとった櫂さんが悪いと思うのよ。さっきだって散々私の事を抱きしめて、甘やかすようなことを言うから……
「やっぱ期待したんだろ、千夏」
「し、してません! 別に何も、これっぽっちも!」
多分今の私の顔は真っ赤で、何を言っても説得力なんて無いと思う。期待してなんかいないけど、キスされるかもと思ったのは本当だから。
仕方ないじゃない、櫂さんのとる行動の一つ一つが紛らわしいんだもの。