飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「それって褒めて無いですよね、私みたいな世間知らずは揶揄いやすいって意味ですか?」
ちょっとだけ拗ねたように視線を逸らせば、余計に櫂さんを楽しませてしまうだけだってまだ分かっていない私。
「まさか! 本気で千夏を魅力的な女性だと思ってるよ、俺は。まあ……君のそんな拗ねた顔も悪くないけれど」
「また、そういう事を……っ!」
櫂さんは誰にでもすぐにそういう事を言うのかしら? 男性との関わりがほとんど無かったので、こんな甘い言葉を囁かれたことだってあるわけもなく、普通が分からない。
ニコニコと微笑んだままの櫂さんを見て、これ以上は言い返しても無駄だと思い食事を再開した。
「やっぱり、美味しい……」
「なら良かった。千夏が食べたいって言ってくれれば、いつでも作ってやる」
櫂さんが言うには普段はお手伝いの女性が通いで来てくれるらしく、私が家事などをする必要は無いらしい。それなのに彼はわざわざ私のために料理をすると言ってくれる。
「……どうして、私なんかのためにそこまでしてくれるんですか?」
一度も就職したことなく櫂さんの仕事の役にも立てない、しかもほとんど家事もしてこなかったような私には、彼にしてあげられることなんてないのに。
……とても不思議で仕方なかったの。