【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「これ、良かったら食べて。相馬さん」
「あ!あざーす!いただきまあす! んーーーッこれは絶品ですね。美味しい!さすがは弓香さんです!自社の製品の良さをここまで引き出してくれるとは!」
「また口が上手なんだから。 それに阿久津フーズファクトリーの商品が元々美味しいってのもあるのよ」
さすがはプロだとは思う。
元々我が社では自信のある商品。そのまま食べても美味しい。 けれどこうも華やかにアレンジしてくれると、益々購買数が上がりそうだ。
でも俺は、レナの料理の方が好きだ。 それはきっと味云々というわけではなく、彼女が一生懸命作ってくれるから好きなのだと思うけど。
一通り弓香さんの作った料理を食べ終えた後、’そろそろ僕は’と言って家を出ようとした。
しかしそんな俺に彼女は男性物の青色のエプロンを渡してきた。
「はい?」
「相馬さんラインで言ってたじゃない。 誰でも作れる簡単なレシピを教えて欲しいって。
だから今日はそのつもりで食材を用意してたんだけど?
とはいっても家である物でちゃっちゃっと出来ちゃう簡単な物だけどね」