【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「でも弓香さんに比べれば僕なんて大した事ないです。 弓香さんは本当にすごいと思います。
自分の才能を生かして仕事で成功してるなんて尊敬しちゃいます」

俺の言葉に弓香さんは再び苦笑した。 ふぅと小さく息を吐いてワイングラスを口元に持っていく。

尊敬しているのはお世辞でも何でもない。 俺は自分に出来ない事を出来る人間を全員尊敬している。

特に弓香さんは自分の才能一つで、沢山の人に影響を与える仕事をしている。
けれど俺の言葉に弓香さんは少しだけ不満げな表情を浮かべた。

「私なんて、大した事ないのよ。 偶然、本当に偶然だもの」

「でも弓香さんは元々一般人としてブログから有名になったんですよね。 やっぱりすごいですよ」

「そうねぇ…最初は普通の主婦だった。 料理は趣味でしていたものだけど、当時ブログで公開したら反響があってね。
最初はすっごく楽しかったんだけど、だって私一般人なのに沢山の人が私のブログを見てくれて、褒めてくれてすごく嬉しかった。
それがきっかけでレシピ本も出す事になって」

「やっぱりすごいです。才能があるんですよ、弓香さんには」

「才能ねぇ……」

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