【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
今度は深く重いため息をついた。 弓香さんなりに考える事があるのかもしれない。
俺から見える弓香さんは幸せそうだった。 裕福な家庭に居て、一軒家を持っていながら自分の仕事場として高級なマンションもある。
可愛い娘さんもいて、高級なブランドに身を包み高級なレストランで食事も出来る。 そんな恵まれた人だと思った。 けれど深いため息を吐いた弓香さんは、少し疲れているように見えた。
「趣味だった物が仕事になって、責任が増えた。
応援してくれる人も沢山いるけど、私の事が嫌いな人がいるってのもショックだった…」
伏し目がちになった弓香さんが、ワイングラスをゆっくりと揺らす。
「それは…人気商売にはつきものですよ…。弓香さんの才能に皆嫉妬しているんですよ。」
「そうね、きっとあなたの言う通りかもしれない。 自分の会社を立ち上げて仕事は充実しているように思える。
きっと私を羨ましく思っている普通の主婦もいるのかもしれない。
でもね、何か空っぽになって虚しいって思う日もあって。
元々旦那は妻には専業主婦で居て欲しいってタイプで、バリバリ働いてる私は気に入らないみたい。 そうなってしまったのは私にも問題があったのかもしれないけど、仕事が軌道に乗り始めてから夫婦仲も悪くなっちゃって。
娘ともね、一番可愛い頃に仕事が忙しくなってしまったせいか、私にはあんまり懐いてないと思う…」