【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「そうしたら娘は私についてくるとは言わないでしょうね。 相馬さんも結婚は慎重に考えた方がいいわよ。
大切な人を大切にするって言葉では簡単だけど、行動に映すのは案外難しいものだから。
相馬さんにもそういう相手いるんでしょう?」
「ええ……まあ…」
「まあ、あなたは私よりかは全然人間が出来ているでしょうから、大丈夫だと思うけどね。
大切な物ほど失わないと気が付かないわ。 だから見落とさないで欲しい」
「そう…そうですね。」
弓香さんの言葉は重かった。 もしかして今日彼女と何かがあったらどうしよう、と思ったのは取り越し苦労だったか。
家族の話をする彼女は、切なく苦しそうだったけれどそれと同時に愛しそうだった。 まだ、愛しているのだなと思った。
本当はこんな形を望んでいなかったのかもしれない。
恐れていたような事態は起こるわけもなく、夕食を済ませた後駅前で彼女とは別れた。
「今日は付き合ってもらって悪かったわね。 相馬さんと仕事をしていると楽しくってやる気も出るわ。いつもありがとうね」
「いえ、僕は何も…」