【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
「ふっ……」
それに合わせるように、レナの目尻がゆっくりと垂れ下がる。
「あはは、私達お互い謝ってばかりだね」
「あははは~、本当。おかしくなってきちゃう…!」
笑い合うと、大好きなレナの屈託のない笑顔が久しぶりに見えた。
俺にはそれが嬉しくって、ぎゅっと抱きしめると胸の中レナは小さな声で「ありがとう…」と呟いた。
レナが意地っ張りで素直じゃないのは周知の事実。 でも素直になった時の破壊力がすごいのも知っている。
胸の中で小さくなったレナは、飼い主だけに甘えて見せる猫そのもので愛しさが心の中で溢れて行く。 やっぱり俺は断然猫派なのだ。 そして予測不能な行動を取る猫に振り回されるのが嫌いではない。
胸の中、顔だけ上げるレナはジッとアーモンド形の瞳を真っ直ぐと向けた。
そして大真面目な顔をして、俺の心を揺さぶる事ばかり言うんだ。 だから猫は好きなんだ。
「私、全部海の物になりたいわ…」
「へ?」
大真面目な顔をして真剣な声色で言うものだから、思わず力が抜けてしまい今俺は間抜けな顔をしていると思う。