【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
少しだけしょんぼりとしながらフライパンからお肉を救出する。 レナの顔を見て、小さく微笑むと猫の様な瞳を垂れ下げた。
ぎゅっと指先を握ると、子供みたいな顔をしてこちらを見上げた。
「俺の心配はしなくっていいよ。 むしろ桜栄社長やレナちゃんのお母さんとゆっくり話せるいい機会だと思うんだ。
それにレナちゃんが子供の頃に遊びに行った別荘に行くのも楽しみだしねッ。
だからさレナちゃんも嫌嫌ばかり言ってないで、楽しむように努力しよう。 だーいじょうぶ。全部どうにかなる」
「ふぅ、あなたが言うと不思議にそんな気もしてくるわ………。 そうよね、せっかくの旅行なのだもの…。
宿泊先の料金が浮いたと思えばいいわよね…」
「あーはっはっはっ、本当にお嬢様のくせに倹約家だなあー」
「お嬢様って言うのは止めて!
でも本当にお父さんに嫌な事をされたり嫌な気分になったらすぐに私に言ってね。
私が海を助けるから!」
それは頼もしい限り。 元々能天気な性格だから、緊張よりも楽しみの方が勝っていたけれど。
まるで小学生の時の遠足のように、何よりも大切な君と旅行に行けるという一大イベントにはしゃいでいた。
紅葉がパッチワークのように色づく美しい季節を、大切な人と過ごせるというのは素敵な事だ。