【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
その時の桜栄社長の落ち込みようといったら、思わずいたたまれなくなってしまった。 「素敵な車ですねぇ」と俺がフォローに回ると、「君には一生乗れない代物だろう」と高飛車な返答が返ってきた。
それに対しレナは怒りで顔を真っ赤にさせて「お父さんがそんな心根の小さな人間だとは思わなかったわ」とへそを曲げる。
味方かと思われたお母さんにも「竜馬さん、海さんに失礼よ。」とバッサリ切られてしまった桜栄社長は更に肩を落とした。 見ているこちらがハラハラとしてしまう。
一休みしてから外に出る事になった。
その間も桜栄社長はレナに話を掛けるのだが、レナは無視をしっぱなしだった。
その様子を見た母親が申し訳なさそうに俺へと声を掛ける。
「海さん、せっかくの旅行なのに申し訳ないわねぇ…。 お父さんもレナも意地っ張りな所は昔からそっくりなんだから」
レナの母親は一見ふんわりとした雰囲気をしていて、どちらかといえばルナちゃんに似ている。
けれどしっかり者な一面もあり、娘と父親のたどたどしい空気を読み取り自然にフォローに回っている。
「いいえ、僕は真子さん達と旅行に来れて嬉しいんですけどね。 あんな豪華なリゾートマンションに泊まるのも初めてだし、桜栄社長の車は超かっこいい!
それに箱根にゆっくりと来ることもあまりないので嬉しいです。
あ、見て下さい。 銀杏の木が綺麗ですよーー!」