【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング
和やかな家族の話だったと思うが、レナだけが笑っていなく
桜栄社長を一瞥した後「バッカみたい」と小さな声で吐き捨てた。
一瞬空気が凍りついたかと思えば、空気を読まない店の店員がやって来てレナが好きだという柚子のゼリーを持ってきた。
先程見た見事な紅葉のような鮮やかな黄色だったが、それが虚しくテーブルの上に置かれ誰も手を付けようとはしなかった。
桜栄社長は今までに見せた事のないほど傷ついた顔をしていた。 目尻を下げてしょんぼりとした表情を見て、初めて気が付いた。 彼もまた猫顔でレナに突き放されたその顔は、まるで捨てられた子猫のようだった。
「偉そうに馬鹿みたいって言ってんの。 何が子煩悩な父親よ。ただの過保護な親馬鹿なだけじゃない。
私は桜栄家に生まれて嫌な想いもいっぱいした。別にお嬢様になんて生まれたかったわけじゃないのに学校で馬鹿にされたり
会社に入社した時はコネだとか陰口も叩かれた! チェリーチョコレートカンパニーがどれだけ偉いって言うのよッ。
会社の社長だからってお父さんが海を馬鹿にする資格があるの?! 海はお父さんとなんか違って周りにすごく優しい人なの!すっごく私達に気を遣ってくれてこの旅行に来てくれたの理解してる?!
それを海に対しての態度は何なのよッ!!! 本当はお父さんと旅行なんか来たくなかった!海と二人が良かったのに!」