愛の距離がハカレナイ
「どこかへ食べに行こうか?」

やっと水島が私を下ろした。

少し冷静になったみたいだ。

「ちょっとした物ならあるよ。ここで食べる?」

「ええっ?阿里は料理をするのか?」

「自分が困らない程度には自炊しているって話したことなかったっけ?」

水島の驚き様に私は苦笑いをした。

「日々節約をしないと、水島たちとゆっくり飲みにも行けないじゃない。」

「いや…、平川もそうだけど、あんまりそういう事は得意じゃないのかと思っていた。」

あまりにも正直な水島の言葉につい笑ってしまった。

「そうね、香澄は結婚するまでは、料理はしなかったからね。私達、これだけ一緒に居ても知らない事もあるんだね。」

今度は水島が笑った。

「そうだな。30歳にもなって彼氏もいない阿里が料理するとは思えなくて‥。そんな事は今更わざわざ話をしないよな。」

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