また君と恋する
あなたのせいでしょーが……なんて言えないけど。

「落ちてる石の中に宝石が混ざってるかもしれないと思って」

意味不明な言い訳が出た。

「へぇ……。じゃあ俺も探してみよーか」

「じょ、冗談だって!」

「知ってるよ」

不敵な笑みを浮かべる志希。

か、からかわれた……。

恥ずかしくて顔が真っ赤になるのを感じた。

隣を歩く志希はちょっと手を伸ばせば触れ合えるほど近く、でも触れることができないこの距離感がもどかしい。

ずっとこうして隣に並んでいたいから、今はこの距離感を心に刻んでおこう。
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