同期はまさかの御曹司?☆ 番外編完結
ハンモックに揺られているとウトウト昼寝をしてしまったようだ。

話し声が聞こえ、めを開けてみるとそこには例の女子がいた。
聞いてはダメなやつかも、と思い目を閉じた。

「ねぇ、鈴木くん達。私たちとペアを組みなおさない?渡辺くんや真鍋くんに代わって欲しいって言われちゃって…。そんなこと言われてあと数日一緒に、なんて気まずくて。」

ちょっと涙声になりながら康祐達に言い寄ってるのが聞こえてきた。

「なんでそんなことになってるの?」

「私たちは上手くやろうとしてたのよ。なのに…2人は勝手にどこかへ行っちゃったの。私たちに昼ごはんを作らせて自分たちはいなくなるんだよ。ひどくない?」

私はその声を聞き、あの2人がそんなことをするようには思えなかった。
2人は女子に合わせてバドミントンをやるって言ってたし、火起こしも手慣れていて上手だからそれを任せっきりにするとは思えない。

「それであいつらが真由とユイと組みたいって言ってるの?」
と康祐が聞くと、

「そうなの。私たちじゃダメだって。松本さん達がいいって…。」
 
3人は明らかに自分たちが被害者だと言わんばかりで泣き声で訴えかけてくる。

「で、君らは何してたの?ご飯は作れたの?」
とケントが聞いている。
 
「作れるわけないじゃない。なんで私たちが作らなきゃならないの?」

「え?じゃあ食べてないの?」

「そうなの…。」
とまた被害者のように話す。

「誰かが作らないと食べられないよね。じゃ、彼らが作ればいいってこと?」

「そうはいってないわ。一緒に作れたら、とは思ってたわ。」

「そう提案したの?」

「そうよ。なのに松本さん達がいいんですって。私たちだって頑張ったのに。」

「何を??」

「…」

「何を?」

「仲良くやろうと歩み寄ったり。」

「歩み寄ってもお腹は満たされないよ。野菜を持ってきてサンドウィッチでもいいじゃない。火を使わなくても出来ることはあるよね。もう一度頑張っておいでよ。」
ケントは優しく諭す。 

いや、優しさの中に有無を言わさない空気が出ていた。
意外と怒らせたら怖いかも。

なんだか目を開けるタイミングを逃してしまった。

すると今度は3人の声が聞こえてきた。

「ありがとな、ケント。やっぱりあいつらグループを代えろって言ってきたな。昨日真由とユイに言われたがまさか、と思ってた。俺、何にも分かってなかったわ。」

「康祐のいいところは素直なところなんだろうな。俺はひねくれてるのかもしれない。」

「冷静に物事が見れてるってことだろ。それにあの3人の対応も俺だったらふざけんな、と言うところだったよ。遊びじゃなく仕事の延長だろ。それをグループ代えろって。今のグループでなにがあっても上手くやる術を身につけろってことなんじゃないのかよ。」

「ホントだよな。昨日から合コンじゃないんだからさ。アイツらホント調子いいな。気をつけないとな。」

ほら、康祐以外分かってるじゃん。
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