夜明けの光をあつめながら
「星野ちゃんは、どうして『高校』に行かなかったの。
事情とかあるの?」

・・・・私は少し間を置いてから答える。

「私が選んだ道です。
お母さんがアルツハイマーのおばあちゃんを介護する時間を作ってあげたかったので。
未成年の私じゃ、まだどうすることも出来ないし。
何をしたらいいのか、わからないし・・・」

「もしかして、『家族を養うため』に星野ちゃんは働いているの?
お父さんは・・・・何しているの?」

「私が生まれて間もない頃に、両親は離婚しました。
だから私、お父さんの顔はわかりません」

私、変なことを言ってしまっただろうか?
佐々木さんの顔が曇る。

そしてなぜか、私に謝る。

「そ、そっか・・・・。
なんか聞いちゃいけない質問しちゃったな。
ごめん・・・・」

聞いちゃいけない質問か。
そんなことはないです。

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