極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
呼吸するように誘うのはいつものこと。美羽に対して特別な感情があるわけではない。
「そう思ってるのは美羽のほうだけ。じゃ、いってくる」
美羽の脇をすれ違いながら、翔が軽く左手を握る。瞬間、トクンと鼓動が揺れた。
(次に会えるのは三日後か……)
小さなため息が零れる。
(ってやだな、今、寂しいって思った?)
まさかそんなはずはないと、心の動きを全力で否定する。もしもそうだとしたら、それはきっと夫婦ごっこの副作用のようなものだろう。ここ一カ月で、翔が美羽の日常に普通に存在するようになってしまったから。
今のはきっと幻覚の一種だと言い聞かせる。
ところが、その日常から抜け出すときのことを考えて、胸の奥はなぜかざわついた。