極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

その日の夕方、仕事が終わった美羽はマンションの最寄駅にあるカフェに百合香とふたりでやって来た。空港の近くでは落ち着いて話せる内容でないため、百合香の提案でその店になった。

偶然にも、彼女の住むマンションはそこから二駅先と近い。

百合香はホットカフェラテ、美羽はノンカフェインのアイスコーヒーを注文して、窓際の隅のテーブルに腰を落ち着ける。


「ここならゆっくり話せるかな?」


百合香は向かいの席でカフェラテに砂糖を入れてスプーンでかき混ぜた。
美羽が話しやすいように優しげな雰囲気を作ってくれているのは声の調子からわかる。


「今、何週なの?」
「九週に入るくらいだと思います」


病院で診断されたときには七週で、そこから約十日が経っている。


「相手には?」


首を横に振って答える。
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