極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
「でも話さないわけにはいかないでしょう? 子どもはひとりでできるものじゃないんだから」
「だけど彼はしっかり避妊していたんです。それなのに妊娠しちゃって……」
「そうだとしても藤倉さんひとりの責任じゃない。ふたりの間で結婚の話をしたことは?」
「結婚は……」
百合香の質問に答えられず口ごもる。
結婚の事実を話すか否か、高速で回転する思考回路。
「話題にあがったことはない?」
「結婚は、その……じつはしてるんです」
勢いをつけてひと思いに白状した。
忙しい百合香がこうして時間を取ってくれているのに、嘘をついて相談に乗ってもらうのはフェアじゃない。
百合香の目が点になった。
「えっ……藤倉さん、結婚してたの?」
「隠していてすみません」
テーブルに頭をつけるほど下げる。
「なんだ、それなら旦那様に黙っている必要も、悩む必要もないじゃない」
「それがそうはいかないんです」
「……どういうこと?」