極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました

入籍後、美羽が引っ越したのは翔が住むマンションだった。

湾岸エリアの一等地に建つ低層マンションは、アッパークラスが住むにふさわしいエグゼクティブな仕様である。空港へのアクセスも良く、実家住まいのときより通勤時間が短くなったのはうれしいおまけだった。

コンシェルジュはあたり前のように常駐し、居住者だけが使えるフィットネスジムやプールまで完備している。

部屋の玄関からリビングまでベージュの大理石でできた壁やフロアが続き、四連にも連なった大きな窓の外にはルーフ付きのバルコニーがある。アイランド型のキッチンの天板にも大理石をふんだんに使い、どこを見てもゴージャスな造りだ。

美羽にはゲストルームとして使われていた八畳の部屋をあてがわれた。ほんの数カ月だけの仮住まいだ。

アースカラーを基調としたファブリックでまとめた部屋にはベッドのほかにふたり掛けのソファと小さなテーブルもあり、とても快適に過ごせる。

もちろんキッチンやバスルーム、トイレは共同で使用するが、生活のリズムが違うため、頻繁に顔を合わせることはない。

仕事を終えて帰宅した美羽は、玄関でヒールを脱いだところでいきなり強烈な目眩を覚えた。目の前にチカチカと閃光が走り、心拍がぐんぐん速くなっていく。
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