私の推しは世界一!!









「はぁっ、はあっ!!
り、利穏!!お、覚えて、はぁっ!らっしゃい!!」


無事、利穏くんから解放された笑実ちゃんは、息切れしながら利穏くんを睨みつけて逃げていった……。



「悪役の台詞吐いて逃げた……。」



「姉貴はいつでも悪役です……。」


いつも思うけど、
利穏くんって笑実ちゃんのことなんだと思っているんだろ……?


「で?結局姉貴は何しに来たのですか?」


あっ!そっか!

利穏くん放心していて途中まで話を聞いてなかったんだ!



「あー、なんか、利穏くんに映画のチケットを持ってきたって。はい。どうぞ。」



「……?これって?」



「えっと……、笑実ちゃんが友達に貰ったらしいけど、予定が合わなかったらしいから、それで利穏くんにって……。ほら!優しいお姉ちゃんじゃん!!」



「いや、だから姉貴に夢見すぎ……。……。」



「どうしたの?黙っちゃって。」



「いや、姉貴は何で家でチケットを渡さなかったのかな、と……。」



「うーん。なんでだろうね……。」



言われてみれば不思議……。

家で渡せばよかったのを笑実ちゃんはなんで私のいるところで渡したんだろ……?



「……なるほど。」


「ん?分かった?」


「あ、……まぁ。」



なんか利穏くんがすごく私から目をそらすの気になるんだけど!!


「と、ところで先輩。」


えっ!?何!?

気がついたのに教えてくれないの!?

なんで話を逸らしたの!?






「その……、え、映画とかきょ、きょきょ興味、あ、あありますか!?」
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