私の推しは世界一！！

「えっと……。あるはあるんだけど……。」


どんだけ噛んでるの！？



どうしたの！？


「ほ、ホントですか！？なら……！！」

「あ、でも、笑実ちゃんのチケット使うなら行かないよ？」

「えっ？」



ああ……、利穏くん知らないのかな？

この映画のジンクス。



「えっとね、この映画、カップルで行くとラブラブになるらしいの。」

「！？」



あっ……。

やっぱり知らなかったんだな……。映画のジンクス。


「だから、利穏くんの気になる人と行った方がいいよ？」


そういえば、利穏くんに好きな人っているのかな……？


今まで聞いたことないや。

誰なんだろう……？


「先輩、俺の気になる人と映画に行ってもいいのですか？」


ぼんやりと考えていたら利穏くんにそう言われた。



俯いて利穏くんの表情は全然見えなくて、
何でそんなことをいいだしたのか分からない。



利穏くんが何を考えているのか分からないけど私は思ったことを口に出した。



「いや、良いも悪いも利穏くんがチケット貰ったんだし。私には関係ないよ。」


「関係、ない……？」





「私は……。」