【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚

「ううん。平気だよ」

「そうか？　ムリしてないか？」

「ムリなんてしてないよ。わたし、梓さんといると楽しいし」

「そうか？ならいいんだけどな」

　お父さんは、どうやらお見合いさせられて交際していることをムリしてるのではないかと思って、心配していたようだ。なんだかんだ、お父さんは優しい人なんだ。

「お父さん、わたしね」

「なんだ？」

「高木原さんのこと……。梓さんのこと、好きになったの」

　わたしはお父さんに、自分の正直な気持ちを話した。

「え？　そうなのか？」

　お父さんはその話を聞いてビックリしていた。きっと思いもよらないことだったのだろう。

「うん。……彼の優しさとか、思いやりとか、気遣いとか。そういう所を間近で見て、彼のことを好きになったんだ。梓さんの真っ直ぐな想いとか、そういうのを全部含めて、好きになったの」

「……そうか」

「意外だった？」

「まぁ、それもあると言えばあるな」

　この年になって、ようやくお父さんがお母さんのことをこんなにも愛してるって言ってる理由が分かった気がしたよ。