私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「……ったく、舞空。おまえはよぉ……」
そう言って、はぁぁ……と、ため息が耳元で聞こえた。
しかし、その声は身を案じていた人の声で。
「……し、聖威?……」
「だから、実力以上の無茶をするなとあれほど言ってんだろ!ったく!」
虚な目で、ゆっくりと見上げる。
力が尽き掛けた私の体を両手で受け止めて支えてくれている。
その顔を見ると、ボーッとした頭の中の霞が吹っ飛ぶような気がした。
魔力に当てられて意識のなかった聖威が、目を開けて立ち上がって、そこにいるのだ。
「聖威、意識が……」
「あのぐらいでやられるか!……まあ、舞空が回復してくれたから、復活は早かったけど」
「そ、そう……」
「でも、そこまで無茶されると『よくやった!』って、言い難いだろ!」
「うん、ごめん」
驚きと共に安堵もした。
無事に目を開けて、両足で立って。
やれやれといった表情で私を見下ろすその顔を目にして、思わずクスッと笑ってしまった。
本当に、良かった。目を醒ましてくれて。
「いや、実力以上の無茶って言うけど、これが舞空嬢の実力なのかもよ?」