男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
「……いや。それがどうやら、あまり相性がよくないようだ。あと数日置いて繁殖行動に移らなければ、雄のピューマはヘッセラボス共和国に返そうと思っている」
 四年前に出会った時は子猫だとばかり思っていたニーナは、我が国には生息していないピューマだ。しかも、ヘッセラボス共和国の国立動物園で飼育されていた貴重な血統のピューマの子孫なのだという。
「そうですか。色々と難しいんですね」
 次代の誕生は、我が国のみならず、ヘッセラボス共和国の意向も多分に含まれているようだった。
「自然界にあればとうに親になっている年だが、いかんせんニーナは人に慣れすぎてしまった。雄を呼び寄せて相性を見るのも、これで二回目だ。今回繁殖に至らなければ、以降は無理に子孫を残させようとせず、宮廷内で自由に過ごさせようと思っている」
「それがいいですね。気に入ってもいない雄と番わされ、子を産まされるのはニーナが可哀想ですものね」
 なんの気なく口にして、再びグラスを取り上げて食後の喉を潤す。
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