男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
「おかえりなさいませ。目通しいただく書類は仕訳けを済ませ、奥の政務室の方にご用意してございます。夕方の軍事式典で着用のお衣装も姿見の前に揃えております」
間に合ったことにホッとしながら扉まで出迎え、いつも通りマントを受け取ろうと腕を伸ばしかけて、サイラス様の後ろに立つ初老の男性の姿を認めた。
私が男性と直接顔を合わせるのはこれが初めて。しかし、私は男性が宮廷医で、ニーナの命を繋げた恩人だと知っていた。
……どうしてサイラス様は宮廷医を伴っているのか。
「セリ、まだ食堂に行っていないらしいな。どうして昼食を食いに行かない?」
私が尋ねようと唇を開くよりも先に、サイラス様が眉間に薄っすらと皺を刻んで口にした。
宮廷医を伴った理由が語られるのだとばかり思っていたが、サイラス様の第一声は、何故か私の昼食について。しかも彼は、留守中の私の同行をわざわざ近衛兵に尋ねて把握していた。
間に合ったことにホッとしながら扉まで出迎え、いつも通りマントを受け取ろうと腕を伸ばしかけて、サイラス様の後ろに立つ初老の男性の姿を認めた。
私が男性と直接顔を合わせるのはこれが初めて。しかし、私は男性が宮廷医で、ニーナの命を繋げた恩人だと知っていた。
……どうしてサイラス様は宮廷医を伴っているのか。
「セリ、まだ食堂に行っていないらしいな。どうして昼食を食いに行かない?」
私が尋ねようと唇を開くよりも先に、サイラス様が眉間に薄っすらと皺を刻んで口にした。
宮廷医を伴った理由が語られるのだとばかり思っていたが、サイラス様の第一声は、何故か私の昼食について。しかも彼は、留守中の私の同行をわざわざ近衛兵に尋ねて把握していた。