男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
しかし、診察を終えたはずのドクトール様から、なかなか声はかからなかった。同様に、私の視界を塞ぐガーゼも取り去られる気配がない。
「あ、あの? ドクトール様?」
自らの手でそっとガーゼを取り払いドクトール様に顔を向ければ、にこやかに微笑むドクトール様と目線がぶつかる。
……え?
さらにドクトール様は、なにを思ったか、突然私にスッと腰を折って礼を取る。私はいち従者に対するには恭しすぎる彼の動作に面食らった。
「サイラス陛下をお呼びしましょう。結果については、おふたりにお伝えいたします」
……絶望なのか、恐怖なのか。……はたまた、喜びなのか。
絡まった糸のようにありとあらゆる感情が複雑に入り乱れ、ただ困惑し、固まった。
踵を返すドクトール様のうしろ姿を見るともなしに眺めながら、鼓動が胸を突き破りそうな激しさで鳴り響く。それはさながら、警鐘音のようでもあった。
この音が邪魔をして、自分自身でも心の本当の声は聞くことができなかった。
***
「あ、あの? ドクトール様?」
自らの手でそっとガーゼを取り払いドクトール様に顔を向ければ、にこやかに微笑むドクトール様と目線がぶつかる。
……え?
さらにドクトール様は、なにを思ったか、突然私にスッと腰を折って礼を取る。私はいち従者に対するには恭しすぎる彼の動作に面食らった。
「サイラス陛下をお呼びしましょう。結果については、おふたりにお伝えいたします」
……絶望なのか、恐怖なのか。……はたまた、喜びなのか。
絡まった糸のようにありとあらゆる感情が複雑に入り乱れ、ただ困惑し、固まった。
踵を返すドクトール様のうしろ姿を見るともなしに眺めながら、鼓動が胸を突き破りそうな激しさで鳴り響く。それはさながら、警鐘音のようでもあった。
この音が邪魔をして、自分自身でも心の本当の声は聞くことができなかった。
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