男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
「お願いよセリウス。今後はどうか、私の寿命を縮めるような行動はしないでちょうだい。今回はサイラス様の温情でこうして咎めだてなくいられているけれど、一歩間違えば不敬罪で牢屋行きになってしまっていたわ」
 懇願混じりにセリウスに告げながら、なんとなくサイラス様が口にした『また見えることになりそう』は今晩の晩餐会のことではなく、別の機会のことを言っていたのではないかと思った。
「……わかってるよ。だけどあいつが、横からしゃしゃり出てきて僕たちが見つけた子猫を当然っていう顔で横取りしていくから……。僕が飼おうと思ってたのに」
「そうね。けれど、サイラス様ならばきっと適切な処置をして然るべき対応をしてくださるわ」
「なんでわかるのさ?」
「だって彼、私のドレスが汚れてしまっただろうからって、替えの手配までしてくださった。こんな細やかな気遣いを見せられる方が、あの子を粗略に扱うとは思えないわ」
 ……そうなのだ。私が今着ているのは、実はサイラス様の名前で届けられた新しいドレスだった。
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