男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
「それに今は、お母様の浪費ですっかり傾いた家で姉様がひとりで働いてる。大きくなったら、絶対にこんな状況から僕が姉様を守ってあげる」
 さらに彼は、ちょっと早口でこんなに嬉しい台詞を続けた。
「ふふふっ。ありがとう、セリウス。私はあなたの将来が今から楽しみでならないわ」
 私と同色の金髪頭を撫でながら告げたら、セリウスはちょっと気恥ずかしそうに車窓の方に顔を背けてしまった。
 ……正直、我が家の状況はかなり厳しい。今日の葬儀と晩餐会出席の体裁を整えるため、金の燭台と銀食器を全て売り払った。そろそろ売れる家財も乏しくなってきていた。
 セリウスは身体こそ弱いが、その頭脳はずば抜けている。彼が大人になれば、あるいは事業分野などでの成功もあり得るかもしれない。だが、我が家に十歳のセリウスが大人になるまで、果たして猶予はあるのだろうか。
 セリウスは『こんな状況から僕が姉様を守ってあげる』と言ってくれた。だけど、私だって思いは同じ。どんな状況でも、愛しいセリウスは絶対に私がこの手で守る――!
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