男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
艶やかな髪を手櫛で梳いてその感触を愛おしみながら、内心で固く決意を噛みしめた。
***
――カーン、カーン。
その音は、いつも束の間の眠りの中に現れる。安息の眠りを貪るなど許さないとでもいうように俺に休息を許さない。
軍部から宮廷に居を戻して以来、俺に安寧の時はない――。
――カーン、カーン。
弔いの二連打の鐘が鳴る。
幼い俺は美しく優しい自慢の母に手を引かれ、皇族の末席から急な病で逝った兄・第三皇子の冥福を祈り頭を下げた。祈りの最中、俺はなんの気なく隣の母を見上げた。それは単に幼さゆえの落ち着かなさからの行動で、特段意図があってのものではなかった。
けれど、目線の先に飛び込んだ歪な母の微笑みに、心臓が凍り付いたような心地を覚えた。俺は逃げるように視線を地面に落とし、バクバクと断末魔の悲鳴のように鳴る心臓の音を恐々と聞いていた。
――カーン、カーン。
二年後に、再びの鐘が鳴る。
***
――カーン、カーン。
その音は、いつも束の間の眠りの中に現れる。安息の眠りを貪るなど許さないとでもいうように俺に休息を許さない。
軍部から宮廷に居を戻して以来、俺に安寧の時はない――。
――カーン、カーン。
弔いの二連打の鐘が鳴る。
幼い俺は美しく優しい自慢の母に手を引かれ、皇族の末席から急な病で逝った兄・第三皇子の冥福を祈り頭を下げた。祈りの最中、俺はなんの気なく隣の母を見上げた。それは単に幼さゆえの落ち着かなさからの行動で、特段意図があってのものではなかった。
けれど、目線の先に飛び込んだ歪な母の微笑みに、心臓が凍り付いたような心地を覚えた。俺は逃げるように視線を地面に落とし、バクバクと断末魔の悲鳴のように鳴る心臓の音を恐々と聞いていた。
――カーン、カーン。
二年後に、再びの鐘が鳴る。