男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
 ラインフェルト帝国の宮廷には、柔らかに差し込む朝日と共に数多の愛と祝福が降り注いでいた。

***

 出産から一カ月が経った。
 この日、皇帝一家の私的エリアにある応接間では親しい人たちを招いての茶会が催されていた。
 実は今回の茶会は、第一皇子アーサーのお披露目や情報共有といった社交の他に、皇家の混乱に際し尽力してくれた皆に感謝を示す慰労会を兼ねていた。
「今日は無礼講だ。存分に羽を伸ばし、ゆるりと過ごしてくれ」
「姉様、昨日は立派すぎる姿に驚かされたよ、本当にお疲れ様。長時間の演説で疲れを残していない?」
 サイラス様の声で茶会が始まると、眩しいほどの急成長で一気に男らしくなったセリウスが真っ先に私のもとに歩み寄り、労りの篭る目でこんなふうに切りだした。
 すっかり健康を取り戻し保養所を退所したセリウスは、なんと現在、私に代わってサイラス様の従者を務めている。
「ありがとうセリウス、だけど疲れなんてとんでもないわ」
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