男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
浴槽の手前に配された洗い場で手早く体を流し、潤沢にお湯が張られた広い浴槽に身を沈める。そうしていれば、肌に残る汚らわしい魔物の肉感と鼻に残る熟れ過ぎた果実のような腐臭が流れ出ていく気がした。
ホウッとひと息つき、浴槽の壁に体を預けて天井を仰ぎ見る。
まったく、いつもにも増して不愉快な夜だ。女とは、なんと浅ましい生き物か。
奴らは皆、汚らわしい魔物……。
「いや、皆というのは些か乱暴か。あの少女は……セリーヌはそうではなかった。媚びや打算、そんな俗世の穢れとは無縁の澄んだ湖面のような瞳をしていた」
母の犯した罪を知って以降、俺の目に映る女は老いも若きも関係なく皆、魔物の顔面をしている。しかし、四年前に見えたあの少女だけは、唯一、俺の目にも人型の顔で映った。
「……もっとも、あれが本当に人であるかはわからんな。もしかすると、人ならざる精霊であったのかもしれん」
頬の緩みを自覚しながらスッと瞼を瞑ると、束の間セリーヌと出会った四年前へと思いを馳せる――。
ホウッとひと息つき、浴槽の壁に体を預けて天井を仰ぎ見る。
まったく、いつもにも増して不愉快な夜だ。女とは、なんと浅ましい生き物か。
奴らは皆、汚らわしい魔物……。
「いや、皆というのは些か乱暴か。あの少女は……セリーヌはそうではなかった。媚びや打算、そんな俗世の穢れとは無縁の澄んだ湖面のような瞳をしていた」
母の犯した罪を知って以降、俺の目に映る女は老いも若きも関係なく皆、魔物の顔面をしている。しかし、四年前に見えたあの少女だけは、唯一、俺の目にも人型の顔で映った。
「……もっとも、あれが本当に人であるかはわからんな。もしかすると、人ならざる精霊であったのかもしれん」
頬の緩みを自覚しながらスッと瞼を瞑ると、束の間セリーヌと出会った四年前へと思いを馳せる――。