男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
 あれは、俺の恩師でありラインフェルト帝国軍前最高司令官のプロスペール元帥の葬儀が宮廷前の中庭で営まれた日だった。
 通常、皇族以外を国葬で弔うことはない。しかし生前のプロスペールの国家への貢献に鑑み、俺が国葬の扱いで宮廷から見送る決定をした。そこに近親者として参列したのがセリーヌとセリウスの姉弟だった。
 とはいえ、葬儀の段階では俺はふたりの存在には気づいてすらいなかった。姉弟の存在を認識したのは葬儀の後。もとは隣国ヘッセラボス共和国からの献上品で、出産を間近に控えた体で前夜から行方知れずになっていたピューマを捜しに踏み入った樹林の中で出会った。
 セリーヌを目にし、数年ぶりに見た女の人型の顔に驚いたのは一瞬で、この娘が長ずればどれほど艶やかに咲き誇るのかと想像しゴクリと喉が鳴った。当時十二歳のセリーヌは幼さを色濃く残していたが、それでも整った目鼻立ちは一目瞭然だった。
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