男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
 ちなみに、私とダボット様が込み入った話をしているうちにニーナは飽きてしまったようで、私の腰のあたりをスルリとひと撫でして行ってしまった。
 四年振りに再開したというのに、ずいぶんあっさり行かれてしまい、少し寂しさを覚えた。同時に、飼育係の元まで送り届けなくて大丈夫だろうかと心配になったが、ニーナの迷いのない足取りを見て、宮廷内はニーナの庭のようなものなのだと納得した。
 ……そうよ。私もニーナも共に宮廷にいるのだからまた会えるわ。こう思えば、たちまち寂しさも消えた。
「たしかに陛下は常より華美を好まない。ご自身の身回りは元より、宮廷内の調度から近衛兵の装備、側仕えの身なり等も質実で機能的であることを好まれる。陛下の側仕えに長髪の者もいない。しかし、だからといって断髪を強要するというのは些か……」
「いえ! おかげさまで、ずいぶんと頭が軽くなりました。これで明日からの従者のお仕事も、フットワーク軽く熟すことができそうです。とはいえ、ダボット様には大切な刀を断髪などにお借りしてしまい、すみませんでした」
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