男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
しかし体がこわばってしまうのは初めての行為に対する怯えや不安が原因で、不思議と嫌悪や不快感といった悪感情は湧かなかった。
これから臨むのは契約でのみ成り立つ行為。なのにサイラス様の腕に宝物を扱うみたいな丁寧さで抱かれていると、胸に甘酸っぱい高揚とときめきすら覚えていた。
このことが、私をひどく混乱させた。
サイラス様は私を横抱きにして、政務室と間続きの寝室を大股で奥へと進む。
寝室の奥で一際存在感を放って鎮座する寝台に辿り着くと、ふわりと私を抱き下ろす。胸がずっと速足で鼓動を刻み、脳内は思考の糸が絡まって混迷を極めていた。
「誓って乱暴なことはしない。だからそう不安げな顔をするな」
内なる感情に困惑する私になにを思ったか、サイラス様は寝台に乗り上がると柔和な表情で私を覗き込み、こんな言葉を口にする。
耳にして、冷徹な態度の裏にある彼の優しさに触れたような心地がした。
「……はい」
これから臨むのは契約でのみ成り立つ行為。なのにサイラス様の腕に宝物を扱うみたいな丁寧さで抱かれていると、胸に甘酸っぱい高揚とときめきすら覚えていた。
このことが、私をひどく混乱させた。
サイラス様は私を横抱きにして、政務室と間続きの寝室を大股で奥へと進む。
寝室の奥で一際存在感を放って鎮座する寝台に辿り着くと、ふわりと私を抱き下ろす。胸がずっと速足で鼓動を刻み、脳内は思考の糸が絡まって混迷を極めていた。
「誓って乱暴なことはしない。だからそう不安げな顔をするな」
内なる感情に困惑する私になにを思ったか、サイラス様は寝台に乗り上がると柔和な表情で私を覗き込み、こんな言葉を口にする。
耳にして、冷徹な態度の裏にある彼の優しさに触れたような心地がした。
「……はい」