愛して欲しいなんて言わない!
「どこに行く?」
玄関に向かって走る私の腕を
西九条が掴んできた
あと数歩で靴が履ける狭い廊下で
私は西九条を見上げた
さっきまでの苛立ちが
消えてしまうほど
西九条が優しい顔をしていた
「夕食を作ってもらえないなら
どっかに食いに行くしかないだろ
お腹が減って、苛々してるんだ
離せよ」
私は西九条の腕を振り払おうと
勢いよく上下に動かした
「『食いに行く』じゃなくて
『食べに行く』だろ?
それに絶対に作らないと言ったわけじゃない
正直に話してくれたんだ
これから俺が作る」
「これからぁ?」
私の腹の音が
大きく鳴り響いた
西九条は大きく目を見開くと
可笑しそうに口を緩めて
肩を揺らして笑いだした
「笑うな」
「正直な腹だな
すぐに作るから
着替えて、待ってろ」
「ちょ…
馬鹿にしているだろ!
腹の音は勝手に鳴るんだ
私の意思に関係ない
それに
私は怒っているんだ
西九条のメシは食わない」
「ほぉ…で?
どこまで食べに行くんだ?
俺が作るなら、もう下準備は終わってるから
5分もあれば食べれるが…
外に食べに行く
もしくは買ってくるなら
5分以上待たないと食事にはありつけない」
西九条は私に背を向けて
居間に向かい歩き始める
「俺は、勝手に作って食べるから
お前も好きに食べて来い」
玄関に向かって走る私の腕を
西九条が掴んできた
あと数歩で靴が履ける狭い廊下で
私は西九条を見上げた
さっきまでの苛立ちが
消えてしまうほど
西九条が優しい顔をしていた
「夕食を作ってもらえないなら
どっかに食いに行くしかないだろ
お腹が減って、苛々してるんだ
離せよ」
私は西九条の腕を振り払おうと
勢いよく上下に動かした
「『食いに行く』じゃなくて
『食べに行く』だろ?
それに絶対に作らないと言ったわけじゃない
正直に話してくれたんだ
これから俺が作る」
「これからぁ?」
私の腹の音が
大きく鳴り響いた
西九条は大きく目を見開くと
可笑しそうに口を緩めて
肩を揺らして笑いだした
「笑うな」
「正直な腹だな
すぐに作るから
着替えて、待ってろ」
「ちょ…
馬鹿にしているだろ!
腹の音は勝手に鳴るんだ
私の意思に関係ない
それに
私は怒っているんだ
西九条のメシは食わない」
「ほぉ…で?
どこまで食べに行くんだ?
俺が作るなら、もう下準備は終わってるから
5分もあれば食べれるが…
外に食べに行く
もしくは買ってくるなら
5分以上待たないと食事にはありつけない」
西九条は私に背を向けて
居間に向かい歩き始める
「俺は、勝手に作って食べるから
お前も好きに食べて来い」