愛して欲しいなんて言わない!
西九条の夕食は
本当に5分でできた
下準備というより
ほぼ完璧に近い状態で
冷蔵庫に保存されている
私が帰ってくるのを待ちながら
作っていたようだ
今にもよだれがこぼれそうな
口を緩めつつ
私は西九条が並べる食事を見つめた
「どうした?
外に行くんじゃないのか?
怒ってるんだろ?
俺の食事は食べたくないんだろ?」
意味ありげにほほ笑んで
二人分の食事をテーブルにのせている
「お…怒ってるけど
食べたくないなんて言ってない」
「へえ
俺の耳には『西九条のメシは食わない』って
聞こえたけど
あれは、何?」
「幻聴じゃないの?」
「ふうん」
私は椅子に座る
すると
後ろから白いご飯を盛ったお椀が置かれた
湯気がのぼる白いふわふわのご飯が
輝いて見えた
お椀から離れた西九条の手が
私の肩を優しく抱きしめた
西九条の息が
耳にかかる
私の心臓が速くなり
西九条の息があたる耳が熱くなった
「疑って悪かったな」
低くて温かい声が
耳の中で響いた
私は首を横に振った
強気な発言を返したい
信じなかった西九条が悪いのだ
悪態の一つでも言いたい
けれど
緊張で何も考えられなくなった
私の脳では
西九条に返す言葉が思い浮かばなかった
本当に5分でできた
下準備というより
ほぼ完璧に近い状態で
冷蔵庫に保存されている
私が帰ってくるのを待ちながら
作っていたようだ
今にもよだれがこぼれそうな
口を緩めつつ
私は西九条が並べる食事を見つめた
「どうした?
外に行くんじゃないのか?
怒ってるんだろ?
俺の食事は食べたくないんだろ?」
意味ありげにほほ笑んで
二人分の食事をテーブルにのせている
「お…怒ってるけど
食べたくないなんて言ってない」
「へえ
俺の耳には『西九条のメシは食わない』って
聞こえたけど
あれは、何?」
「幻聴じゃないの?」
「ふうん」
私は椅子に座る
すると
後ろから白いご飯を盛ったお椀が置かれた
湯気がのぼる白いふわふわのご飯が
輝いて見えた
お椀から離れた西九条の手が
私の肩を優しく抱きしめた
西九条の息が
耳にかかる
私の心臓が速くなり
西九条の息があたる耳が熱くなった
「疑って悪かったな」
低くて温かい声が
耳の中で響いた
私は首を横に振った
強気な発言を返したい
信じなかった西九条が悪いのだ
悪態の一つでも言いたい
けれど
緊張で何も考えられなくなった
私の脳では
西九条に返す言葉が思い浮かばなかった