幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 リーゼはこの地に来て自由になることができたけれど、残っているフランチェスカはどうだろう。公爵の歪んだ期待を押し付けられて、苦しんではいないだろうか。
 日本人だった記憶があり、普通の五歳児よりは精神的にタフなリーゼと違い、フランチェスカの魂は本当に五歳である。何かあったらと思うと、心配せずにはいられない。

(うん、早く戻らなくちゃ)

 そのためにも、いつまでも子供ではいられないのだ。

「……では、当面午後のお勉強時間は最低限にいたしましょう。リーゼお嬢様はお教えしたことは一度ですぐ覚えてしまいますから、焦る必要はありませんしね」

 最終的に折れたのはアルダリオンだった。
 前世ではちゃんと学校に行っていたので、基本的な算数は問題ない。帳簿のつけ方も、成人までにしっかり学べばいいから、勉強の時間を少し削っても問題はないのだ。
 

 アルダリオンと決めた通り、勉強の時間を終えたリーゼは堤防に向かった。
 今日の護衛は、アルダリオンとシドだ。
 背中に背負ったリュックサックからぴょこんと飛び出しているのは、兎のぬいぐるみだ。長い耳がリーゼの歩みに連れてぴょこぴょこと揺れる。
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