幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「あー、たしかに銀は採れねぇな。でも、ほら、ここを見てみろ。この部分は金属を強化することのできるコルダイトが混ざっている可能性がある」
「そうなの? 全然知らなかった」
「ま、抽出するのにドワーフの技術がいるからな。もうちょっと様子見て、商売になりそうなら領主様に話に行く予定だったんだがよ」

 その領主様は、今、ここにいるわけで。
 無断で掘っていたのを知られたから、ムラトもなんとなく気がとがめるのだろう。リーゼから視線をそらし、鼻の下をこすり、そわそわとしてる。

「うーん、鉱山はまだ手をつける予定はなかったから、ムラトが見てくれたなら助かったよ。ねえ、アルダリオン?」
「はい。私達だけでは手が回りませんでしたので。後日、詳しくお話を聞かせていただけますか?」
「それはかまわないがよぉ」

 ムラトはまだ落ち着かない様子だ。リーゼは周囲に目を向ける。ドワーフ特有の魔術がかけられているのか、ここは他の場所と違ってじめじめとしていなかった。
 天井も壁も床もさらりと乾いていて、開けた空間の端には乱雑に丸めた毛布が転がっている。ひょっとして、帰る場所がないのだろうか。

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