幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 どうもリーゼは、行き先がないと思った者を自分の屋敷に招き入れる傾向があるようだ。
 その結果集まったのがフェンリルのシド、エルフのアルダリオン、ドワーフのムラトというのはなんとも妙な運命の配合である。
 今、この屋敷に集まっている人間を自分の国に招けるとしたら、国家予算一年分を出しても惜しくはないという者は多数いるだろうに。
 言われた通り食堂で待っていると、アルダリオンはオレンジ色の髪をした少女と一緒に入ってきた。

「――ムラト。盗み食いは、駄目。アルダリオンにもそう言った」
「失礼ですね、リリンダ。盗み食いではなく、おつまみが欲しかっただけですよ」
「勝手に保管庫からチーズを取ろうとしていた。盗み食い」

 アルダリオンを追い立ててきたリリンダは、むっとした様子ながらもテーブルの上に軽くあぶったベーコンや、チーズ、ドライフルーツなどの載った皿を置く。
 屋敷全体を取り仕切っているのはアルダリオンなのだが、食料保管庫はリリンダの管理下にある。アルダリオンといえど、勝手に食材を持ち出すのは盗み食いにあたるらしい。

「悪いな、リリンダ。お前も飲むか?」

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