幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
(やっぱり、穴を掘るのが好きすぎて、一族から追い出されたんじゃないかなぁ……)

 リーゼがそんな失礼なことを考えているとは、きっとムラトも気づいていないだろう。
 リーゼが硬化のスキルで固めたところを毎日調査しているけれど、今のところリーゼの"硬化"が解けた場所はない。リーゼの"硬化"は、少なくとも数か月は続くのではないかという予測が立っている。

「堤防の方はどうだ?」
「明日、アルダリオン達が連れて行ってくれるって。だから、明日は一日留守にするの」

 デリモ近辺は、すでにリーゼの力で強化されている。
 少し離れたところに行くのは、リーゼひとりでは難しいから、お弁当を持って、一日かけて行って帰ってくるのだ。
 領主の仕事もリーゼの勉強もおろそかにならないよう、上手にアルダリオンがスケジュールを組んでいる。

「そうか。んじゃあ、明日は俺も同行しようかな」
「一緒に行ってくれるの?」
「堤防の調査も必要だろ」

 どこにも行くところがないと思っていたから、リーゼはムラトを屋敷に招いたけれど、本当は、彼なら働く場所には困らないのではないだろうか。

「ねえ、ムラト」
「どうした?」
< 168 / 310 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop