幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 サージの前に乗せられて、リーゼはむぅっと口を尖らせた。馬にひとりで乗ることができるようになったら、もうちょっと行動範囲が広がるのに。

「主は吾輩に乗ればいい。主のためなら、どこまでだって走れるぞ」

 馬の速度に合わせて走っているシドが口を挟む。もう一度言うが、それでいいのか聖獣。
 シドに乗るのも好きだが、それとこれとは別問題だ。

(……なんとなく、さ)

 シドが力持ちなのはわかっているが、大人になっても彼にまたがるのはちょっと違う気がする。シドに乗せてもらうのは好きなので、大人になった時、やめられるのかどうかという問題は別に発生するが。

「リーゼは、なんでも自分でやりたいお年頃なんだろ」

 ムラトがにやにやしているのがなんだかイラっとする。本当は、五歳じゃなくて大人なのに。
 そんな会話をかわしながらも、一行はゆったりと馬を進める。すれ違う人達がリーゼを見ると手を振ってくれるのに、リーゼもぶんぶんと振り返す。

(デリモに来たばかりの頃とは、大違い……)

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