幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
その様子に、リーゼも首をかしげてしまう。
聞いていた話と違う。
いったい、どうなっているのだろう。
「……おや、驚いた。こんなところで我が一族の者が、こんな可憐なお嬢さん達に、送られているなんて、ね」
「リーゼ、こっちに」
リリンダはリーゼを引き寄せ、いつでも逃げられるように抱え込む。
声の方に目をやり、リーゼは目を見張った。人間が宙に浮いている。
黒い髪に黒い瞳。すらりとした体躯に黒い衣服が映える。
(……ううん、違う)
今、リリンダが消滅させた存在とあれは似たようなものだ。似たようなものだけれど、存在感が全然違う。
「お嬢さん達、びっくりさせちゃった? ごめんね? ああ、僕の名前はオルシウス。吸血鬼一族の者だよ、よろしく!」
「よ、よろし……って、ダメじゃん!」
ふよふよと浮いたままこちらに近づいて来た彼が差し出した手を取りかけ、リーゼは自分に突っ込んだ。リリンダが、吸血鬼の手を払う。
「ごめんごめん、そりゃ警戒されるよねぇ……このくらい離れたらいい?」
聞いていた話と違う。
いったい、どうなっているのだろう。
「……おや、驚いた。こんなところで我が一族の者が、こんな可憐なお嬢さん達に、送られているなんて、ね」
「リーゼ、こっちに」
リリンダはリーゼを引き寄せ、いつでも逃げられるように抱え込む。
声の方に目をやり、リーゼは目を見張った。人間が宙に浮いている。
黒い髪に黒い瞳。すらりとした体躯に黒い衣服が映える。
(……ううん、違う)
今、リリンダが消滅させた存在とあれは似たようなものだ。似たようなものだけれど、存在感が全然違う。
「お嬢さん達、びっくりさせちゃった? ごめんね? ああ、僕の名前はオルシウス。吸血鬼一族の者だよ、よろしく!」
「よ、よろし……って、ダメじゃん!」
ふよふよと浮いたままこちらに近づいて来た彼が差し出した手を取りかけ、リーゼは自分に突っ込んだ。リリンダが、吸血鬼の手を払う。
「ごめんごめん、そりゃ警戒されるよねぇ……このくらい離れたらいい?」